セキュリティの概要

最終更新日: 2026-09-30

Lorel.ai における通信・保存データの暗号化、AI 機能の安全性とガードレール、機密情報の自動マスキング、およびプラットフォーム全体のセキュリティ対策について説明します。

概要

Lorel.ai では、通信経路と、データベース・オブジェクトストレージに保存されるデータを暗号化して保護しています。

AI 機能には、有害なコンテンツを抑止するコンテンツフィルタと、プロンプトインジェクション(不正な指示)を検知するフィルタを、ガードレールとして標準で適用します。また、クレジットカード番号やクラウドの認証情報などの機密情報を、自動的に伏せ字にします。ただし、個人情報の保護レベルは、初期設定では「保護なし」です。詳細は「3. 機密情報の自動マスキング」を参照してください。

これらの保護機能はプラットフォーム全体に標準で組み込まれており、お客様側で個別の設定を行わなくても適用されます。

提供されるセキュリティ機能

Lorel.ai が標準で提供するセキュリティ対策と防御機能の一覧です。

機能分野主な対策内容設定・変更
通信の暗号化Web ブラウザや外部サービスとの通信を TLS(1.2 以上)で暗号化します。ブラウザ向けの HTTP アクセスは自動的に HTTPS へ転送され、HSTS(有効期間約1年、サブドメインを含む)を適用します。自動適用(変更不要)
保存データの暗号化データベースおよびオブジェクトストレージに保存されるデータを、保存時に暗号化します。自動適用(変更不要)
AI 呼び出しの一元管理AI 機能の呼び出しをプラットフォーム内の共通の実行経路に集約し、ガードレールを適用します。利用状況とガードレールの作動状況はモニタリングしています。自動適用(変更不要)
コンテンツポリシー・ガードレール有害なコンテンツを対象とするコンテンツフィルタを AI の入力と出力に、プロンプトインジェクション検知フィルタを AI の入力に適用します。自動適用(お客様の設定で無効化できません)
機密情報の自動マスキングクレジットカード番号やクラウドの認証情報などの機密情報を検出し、AI の入力と出力で自動的に伏せ字にします。自動適用(お客様の設定で無効化できません)
アクセス制限・レート制限ネットワーク境界(WAF)で IP アドレス単位のアクセスを制限し、主要な API ではアプリケーション内部でも制限します。認証 API には、より厳格な専用の制限を適用します。自動適用(変更不要)
悪意ある通信の検知・遮断API に対する既知の攻撃パターン、既知の悪意ある IP アドレスからの通信、および既知の自動化ツールに特有のリクエストを遮断します。自動適用(変更不要)
ブラウザセキュリティクリックジャッキング対策など、Web ブラウザ側で機能する各種のセキュリティヘッダーを Web コンソールに標準で適用します。自動適用(変更不要)

1. 通信とデータの暗号化

通信経路の暗号化(イン・トランジット)

  • Web ブラウザや外部連携サービスから Lorel.ai への通信は、TLS(Transport Layer Security)1.2 以上で暗号化されます。
  • ブラウザ向けの HTTP アクセスは、自動的に HTTPS へ転送されます。API への暗号化されていない HTTP アクセスは受け付けません。
  • 「HSTS(HTTP Strict Transport Security)」を有効にしており(有効期間は約1年、サブドメインを含みます)、対応するブラウザに HTTPS での接続を強制します。

保存データの暗号化(アット・レスト)

  • データベースおよびオブジェクトストレージに保存されるデータは、保存時に暗号化されます。
  • 暗号化はプラットフォームの基盤で自動的に管理されるため、お客様側で鍵の管理や設定を行う必要はありません。

2. AI 利用の安全性とガードレール

AI エージェントの実行には、企業での利用を想定した安全策を、複数の層で適用しています。

AI 呼び出しの一元管理

AI 機能の呼び出しは、各機能が個別に生成 AI サービスへ接続するのではなく、プラットフォーム内の共通の実行経路を通して行われ、ガードレールが適用されます。AI の利用状況とガードレールの作動状況は、モニタリングしています。

ガードレールとコンテンツポリシー

  • 有害コンテンツの抑止。 有害なコンテンツを対象とするコンテンツフィルタを、AI への指示文や分析対象のデータの入力と、AI の出力に適用します。
  • プロンプトインジェクション対策。 AI に渡す指示文や、インシデント・テレメトリ・チケットに由来する入力テキストに、悪意ある不正な指示が含まれている場合に備えて、プロンプトインジェクション検知フィルタを適用します。検知した場合は、その入力に対する AI の処理を中止します。
  • 外部ツールから取得したデータの扱い。 AI が調査の途中で外部ツールから取得したデータは、指示ではなく参照用のデータとして扱うよう、AI に指示しています。ただし、これらの対策で、プロンプトインジェクションを完全に防げるわけではありません。
  • 適用範囲。 これらのガードレールは AI エージェントの実行に自動で適用され、お客様の設定では無効化も緩和もできません。

データ処理リージョン

AI 機能の処理(ガードレールによる入力・出力の検査を含みます)では、データがアジア太平洋地域内の日本国外のリージョンで処理される場合があります。

3. 機密情報の自動マスキング

AI にデータを渡すときと、AI が回答を出力するときに、機密情報が露出するリスクを減らすため、自動マスキング機能を備えています。

マスキングの対象となる情報

クレジットカード番号やクラウドの認証情報などの機密情報が、マスキングの対象です。

個人情報(住所・メールアドレス・ユーザー名・電話番号)は、入力側と出力側のそれぞれについて、「ブロックする」「内容を隠す」「保護なし」から選択できます。設定の単位は、標準エージェントではプロジェクト、カスタムエージェントではエージェントです。初期設定は「保護なし」です。詳細は、AI Agents の概要を参照してください。

動作のルール

  • 入力と出力の双方で検出します。 AI の出力(分析レポートやコメント)と、AI への入力(ユーザーが入力したプロンプトやインシデントの内容など)で、対象の情報を自動で検出し、伏せ字にします。AI が外部ツールから取得したデータについても、機密情報を伏せ字にします。検出は自動判定であり、すべての情報を網羅するものではありません。
  • 機密情報のマスキングは、無効化できません。 プロジェクトやロールに関わらず適用され、お客様側でマスキングを解除する設定はありません。

4. 基盤防御・アクセス制御

外部からの不正アクセスやサイバー攻撃からシステムを保護するため、複数の防御機構を備えています。

多層のアクセス制限

  • アクセスの制限。 ネットワーク境界(WAF)で IP アドレス単位の短時間の集中アクセスを制限し、認証や外部からのイベント受信などの主要な API では、アプリケーション内部でも制限します。
  • 認証の保護。 ログイン画面や認証 API には、総当たり攻撃(ブルートフォース攻撃)やクレデンシャルスタッフィングへの対策として、通常の API よりも厳格な専用の制限を適用します。ログインの失敗が続くと、段階的に制限が強まります。

不正なリクエストや攻撃の検知と遮断

  • API の防御。 API に対する既知の攻撃パターンに該当するリクエストを検知し、遮断します。
  • 不正な IP アドレスへの対策。 既知の悪意ある IP アドレスからの通信を自動的に識別し、遮断します。
  • 自動化ツールへの対策。 既知の自動化ツールに特有のリクエストを遮断します。

ブラウザセキュリティ

Web コンソールへのアクセス時には、クリックジャッキング対策のヘッダーなど、各種のセキュリティヘッダーをブラウザへ送信し、クライアント端末側の安全性を高めます。

5. セキュリティ機能の適用方針

Lorel.ai のセキュリティ機能は、安全を既定とする考え方(Secure by Default)に基づいて設計されています。

  • 標準で適用されます。 通信と保存データの暗号化、AI のガードレール、機密情報のマスキング、基盤防御は、すべてのお客様に共通で標準適用され、お客様の設定では無効化できません。
  • セキュリティを下げる設定は提供していません。 暗号化の解除、ガードレールの無効化、機密情報のマスキングの解除などの設定は、セキュリティの品質を維持するため、提供していません。ただし、個人情報の保護レベルは、AI エージェントの設定で選択できます。

制限事項

フィルタや防御機能は、既知のパターンや自動判定に基づいています。あらゆる攻撃や情報を検知・遮断することを保証するものではありません。

関連機能

  • ユーザー認証(ログイン認証、パスワード要件、およびアカウント保護の仕組み)
  • ロールと権限(組織およびプロジェクト内での参加ユーザーごとのアクセス権限の制御)
  • 取得データの取り扱い(データの保存期間の満了に伴う自動削除の運用と、契約終了時のデータの取り扱い)
  • AI Agents の概要(AI エージェントの設定と、個人情報の保護レベルの選択)